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上高地の写真
12Days HIKE TRIP 国内

【信州2021】12Days LongTrip【子連れ】

# 愛すべき信州にどっぷり浸かるDeepな12日間

 前回のじょいとのタイ北部のツーリングTripから気づいたら2年も経過してしまっていた。その間に起こった出来事と言えば、定年した両親を連れてタイを旅行したり、まるで想像もしていなかったCOVID-19という感染症が全世界に蔓延するという事態になっていたり、東京オリンピックが延期になったり、2020年の夏に長女が産まれたりした。正直、内も外も世界が一変するだけの出来事が立て続けに起きた。コロナ禍&0歳児の組み合わせで、海外に出ることも現実的にはハードルが高く、結果として自宅周辺や、県内の海沿い等あらたな魅力を発見する機会にもなった。それと同時にあまり言いたくはないけど、日本国内の科学リテラシーの低さとそれを扇動するメディアには2011年から引き続き、辟易とさせられていた。現実空間にくっきりとしたPhotoshopのようなレイヤーが存在し、目に見える事だけで正確な判断をする事が難しくなり、そして明確に社会はいくつかに分断した。若者ですら、目の前の物体をレイヤーをつけてしかストーリーを構成する事が出来なくなり、急速に社会のおじさん化が進んだ。つまり、それは【東京大学】である前に【建造物】であり、【江戸前の〇〇さんが握った〇〇で〇〇な寿司】では無く、【米と魚】なのである。【米と魚】にストーリが無いと食べられないのは、僕は劣化した都会の象徴的な【おじさん】だと思うわけで。

 つまり、僕はそれなりに疲れていたし、【木】や【水】や【火】と向き合う必要があった。もちろん【消える事なく燃え続けている聖火】なんてあまりにもくだらいない【おじさん】の話は置いといての話である。

人気の少ない上高地にて穂高を前に立つ筆者
人気の少ない上高地に佇む

#コロナ対策と子供(0歳10ヶ月)対策。

 海外は現実的にはまだ難しく(日本を出ることよりも日本に入る事を考えるとウンザリする)、それでいて満足のいく旅体験、自然体験をしたい。夫婦で色々と検討を重ねた結果、ライフワークとしてずっと深堀し続けている信州エリアにどっぷり浸かる旅とする事にした。またコロナ禍である事を科学的なエビデンスに基づいて考慮し、被害性では無く加害性に関しては注意を払った。0歳時を連れての旅なので標高に関しても事前に複数の文献を参照し、2000メートル程度では、ほぼ問題は起きない事を確認した上で、コンディションに関しては注意深く観察した。

  • 公共交通機関は使わない(上高地へのアクセスのみ、上高地へのバスも密とは無縁)
  • 宿での食事は部屋で
  • 全て風呂付き、後半は部屋に温泉付き(子供の温泉デビューもしたかった)
  • 外食は基本的にはせず、する場合もすでに不特定多数が出入りしている場所(サービスエリアや道の駅)
  • ハイキングはベースや車から2時間以内、緊急時に僕が背負ってランすれば30分程度
  • 基本的なエマージェンシー対応と装備
  • フィジカルディスタンシング

 なんて事を基本的なルールにして、後はいつもの僕ららしくあまり計画は立てずに旅をしながら、次の目的地を決めたり、点々と気ままに旅をする事にした。結果として大満足な旅体験となった。

#浅間山麓エリアから旅のスタート。

 旅の前半は浅間山麓エリアの高規格コテージに4泊で滞在し、焚き火と自炊をしながらキャンプ場の敷地内や浅間山麓の森や湿原をハイキングしながらのんびり過ごす事にした。もし夫婦だけだったら、高規格のコテージに泊まるような事はもちろん選択しないのだけど、離乳食やミルク、風呂、また長女の初めての旅行&アウトドアという点も考慮して、まずは4泊ベースを移動せずに観察した。結果として初日こそ慣れない環境に多少不安定さはあったが、連日の焚き火や毎朝の散歩、ハイキング等を経験し、どんどんたくましくなっていくのを夫婦で感じる事が出来た。

毎朝森を散歩して、毎晩焚き火をして過ごした。

 浅間山麓エリアで特に印象的だったハイキングは、標高2000メートルに位置する池の平湿原だ。実はあんまり期待もしていなかったし、直前まで行くか迷っていたのだけど、印象的な絶景が広がっていた。なにより今回の旅全体に言える事だけど、やっぱりコロナ禍で人がほとんど居ないっていうのがフラストレーションにならずに最高だった。

池の平湿原の写真。
高層湿原独特の景観。池の平湿原。
池の平湿原の写真。
どこまでも伸びる木道がハイキングっぽくてすごく良い。

#安曇野を経て北アルプスエリアへ。

 次に向かったのは北アルプスエリアの平湯温泉。上高地のすぐ岐阜側に位置し乗鞍岳の麓、笠ヶ岳を絶景で見渡せるこの平湯温泉エリアは僕ら夫婦が、ずっと敬愛しているエリアだ。特に周辺を3000メートル級の山々に囲まれた平湯は高山帯独特の雲や空を感じる事ができ、足繁く通っている。途中、安曇野エリア、常念山麓のあたりで一泊して向かった。

安曇野ではちょうど雨だった事もあって、新緑の梅雨らしいハイキングを楽しめた。森の写真。
安曇野ではちょうど雨だった事もあって、新緑の梅雨らしいハイキングを楽しめた。
森の間から姿を見せた常念岳の写真
雨模様の中、森の間から姿を見せた常念岳
平湯大滝の写真
平湯大滝は以前は滝壺まで行けたけど、おそらく先の台風ですっかり荒れ果てて放置されていた。カッコイイ滝なのに…

 平湯をベースに上高地へ向かった。国内において唯一無二の山岳リゾートとも言える圧倒的な立ち位置の上高地ですら、人もまばらで本当に穏やかな時間が流れていた。人が少ない中、国内の絶景を旅していると、人ともほぼ接触しないので、国内を旅している事を忘れるくらいだ。

上高地からみる穂高の写真。
ベタな場所だけど、ほんとうに絶景。記念写真取り放題。

#そして美ヶ原、霧ヶ峰エリアへ。

 次に向かったのは美ヶ原、霧ヶ峰エリアだ。今まで何度も松本には来ていたけど、こっち側は何故か後回しになっていた。だけどやっぱり、人の少ない絶景は天国だった。スケールの大きな高原に本当に綺麗なホルスタインを中心とした牛達が放牧されていて、ほんとうにいくらでも歩き続けられる気分になる。

美ヶ原高原の写真
上高地から一転、牧歌的で独特の空気を醸し出す美ヶ原
美ヶ原の写真。
メジャーな観光地なんだけど、日本離れした独特の空気感
美ヶ原高原の写真
お昼寝中の長女を抱っこしながらのハイキング。いくらでも歩けそうな気がした。

 ちなみに上記の写真で使っている、モンベルのサンブロックアンブレラが特に0歳児を伴うハイキングでは大活躍した。標高が上がればそれだけ紫外線も強くなるので、雨&日傘兼用で強力にUVカットしてくれるこの日傘があればハイキング中はもちろん、ミルク休憩の際などにも常に日陰を作り出す事が出来て便利。カーボンの8本ポールで強度も十分、わずか200g。日常も含めてこれは本当におすすめのアイテムだ。もちろん樹林帯での雨の日にも使える。

モンベル、サンブロックアンブレラの写真。
雨の樹林帯で普通のアンブレラとして
モンベル、サンブロックアンブレラの写真。
強い日差しでも、非常に濃い影を作り出す事が出来る。

 美ヶ原から霧ヶ峰にかけては、中央分水嶺トレイルというトレイルが整備されているのでいつかここも家族でスルーハイキング出来たら良いなと思っている。

霧ヶ峰の写真。
霧ヶ峰は秋口がすごく似合いそうなのでその頃にまた来たい
八島湿原の写真
 八島湿原

 そんな感じで、12日間をかけて信州エリアを旅して、まず国内でもある程度の日数を確保し、平日などの閑散期に上手に旅をすれば海外旅行の時のような、ある程度満足できる旅体験が出来るなと感じた。それと同時に改めて信州の魅力に触れられたし、継続して深掘りしているエリアだからこそ、コロナ禍のような有事でも旅をする事が出来たと感じる。長女についても子供の適応力ったら半端じゃなくって、旅の後半は明らかにハイだったし、具体的に頭が上後方に伸びた。家族でハイになるのはやっぱり大切だし、子供ができた事によって新たなアウトドアや旅の形を模索出来たと思う。

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