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HIKE ONEDAY 高尾

【高尾】東京の裏山高尾ハイク

東京の裏山 高尾 ハイク

ミシュランに三つ星認定され、年間250万人以上の登山者が訪れる高尾山。都心から電車で1時間、温泉完備のアーバンマウンテン、もちろんメインルートは人も沢山で気が引けちゃうけど、実は高尾山は奥秩父や奥多摩等と繋がりをもつ連山の最東端。メインルートを外しても沢山のトレイルがあり、地図にあるトレイルも地図にないトレイルも無数にあるのだ。沢もあるし、猿も居る。歩いたり走ったり、あえて雨の日に歩いたり、ナイトハイクに挑戦したり。前日に思い立って気軽に行ける高尾エリアは、まさに東京の裏山。トレーニングのつもりで、探検しよう!高尾エリア!

高尾山なんかで地図は不要?そう言わずに、まずは山と高原地図の高尾・陣場版を買ってみてほしい。そうすれば、きっと高尾山は入り口で色々探検できそうなトレイルを思い描けるはずだ。子供の頃に近所の裏山なんかを探検して自分だけの秘密基地を作ったり、自分だけの地図を頭に描いたような、そんなワクワク感をきっと感じられるはずだ。

今回は高尾に興味を持ったらまず訪れてほしいコースを、「南」「北」「奥」「裏」のキーワードで紹介する。

だって、

「高尾にいい場所見つけたんだ!」

「どこどこ?」

「場所的には裏高尾のあたり、東尾根の途中なんだけど」

なーんて話せたら「裏原宿」「南青山」みたいで、最高にクールじゃない?

比較的フラットでランにも最適な「南高尾」

高尾山口駅から川を渡り、住宅地にひっそりとトレイルヘッドがあるのが南高尾。高尾エリアの南側にあたり日当たりも良く、高尾山周辺と比べるとハイカーの数も少なく歩きやすい。歩行距離約17km、累計標高も上り下り共に800m前後で、高尾山口駅を起点とし高尾山口駅に戻ってこれるループハイクな点も歩きやすいだろう。尾根歩きをしばらく楽しんだ後は1度大垂水峠まで標高を下げ、そこから城山まで一気に登り返す。その後は高尾山頂を経由して高尾山頂からは稲荷山コースで高尾山口駅まで戻る。城山を経由せず大垂水峠から高尾山山頂を目指しても良い。

南高尾 尾根
気持ちのいいトレイルが続く南高尾の稜線歩き。
南高尾 丹沢 景観
丹沢方面の景観を眺めながら歩く事が出来る。
南高尾 沢
小さな沢もある。

陣場山から高尾山へ縦走入門「奥高尾」

陣場山、景信山、城山、高尾山を縦走する縦走入門コース。高尾駅からバスでトレイルヘッドの陣場高原下へ。陣場山まで一気に標高をあげ、その後は高尾山まで比較的フラットな縦走を楽しめる。このコースは人気コースの為比較的ハイカーも多い。歩行距離は約17キロ。累計標高も1000m前後で、日曜日のデイハイクなんかにちょうどいい。全ての山頂に山小屋があり、食事や休憩にも困らないだろう。高尾山頂からは好みのコースで降りることも出来るし、物足りなければ城山から上記の南高尾に繋いでも楽しめる。高尾の魅力は、途中でいくらでもコースをアレンジ出来る事にもある。

陣馬山から高尾山縦走 奥高尾
陣場山山頂からの眺め。高尾から繋がる山域の深さを見渡せる。
陣馬山から高尾山 縦走 陣馬山山頂 奥高尾
山頂は小さな高原のようになっていて気持ちがいい。

繰り返す登り返し、ストイックな北高尾、裏高尾。

南、奥と来たら次は北高尾から裏高尾へ。高尾駅より霊園前までバスで行き、八王子城跡がトレイルヘッド。こちらも八王子城山まで一気に標高をあげて、その後はひたすら尾根の起伏に沿って登り返しを繰り返す。北高尾は願望が開ける事も少なく、ハイカーも少ない為自分と向き合いひたすら歩くのには最適だ。孤独を愛するハイカーなら気にいるだろう。その後室堂山を経由して景信山へ。景信山から地図は載っていない東尾根を降り、日影沢に下る。ちなみにこの辺りが正式な地名にもなっている裏高尾町。プチ沢登りもできる小下沢もあったりする。このルート、今日紹介するルートの中では僕の一番のお気に入り。ハイカーも少なく心穏やかに、歩き瞑想に浸る事が出来る。歩行距離は大体15km、累計標高は1000mm程度。

北高尾 尾根歩き
展望が開ける事は少ないがその分歩く事に集中できる。
北高尾 尾根
繰り返す登り返しはドMハイカーにはご褒美。
北高尾 トレイル
走りたくなるトレイル。
裏高尾 梅の里
日陰沢に下ると目の前に広がる、梅の里。

北南ループ、高尾でロングハイク。

ちなみに上記の北高尾、南高尾のコースを繋ぐと高尾駅をスタートして高尾駅に戻ってくる距離30kmオーバー、累計標高も1500mオーバーのロングトレイルになる。ランナーはハードな大会のトレーニングに、ハイカーは北アルプス等でのオーバーナイトハイクのトレーニングにと、色々楽しめる。土曜日に思い立って日曜日に気軽に30kmオーバーのロングハイクが出来るのも東京の裏山、高尾ならではの魅力だろう。しかも温泉付き!都内在住者はもちろん、東京出張のついでにハイクしたっていい。海外のハイク好きの友達に紹介したって、鳥居をくぐってスタートして温泉にゴールなんてきっと喜んでくれるはず。

北高尾 富士山
富士山って目に見えてなくてもこの木々の先にありそうってオーラを感じると、大体あるから不思議。
ウルトラライト ハイキング
高尾エリアはまだまだ魅力がいっぱい。

他にも沢沿いを歩ける道や、相模湖に繋がる道、無数にトレイルがある。高尾エリアならある程度無理をしてもエスケープも容易なので、高尾エリアならではのハイキングを色々試してみると、きっと高尾の魅力に気づけるだろう。ピークハントに重きを置かずに、四季を通じて歩ける自分のマイトレイルを見つけたら、足繁く通って繊細な自然の変化や、自分自身の体力の変化と向き合えるかもしれない。ルナサンダルに半ズボンで歩いてみたって、気持ちいはずだし、近代以前の山行に思いを寄せてみたっていい。まさに静観派登山の入り口ともいえる高尾エリアは、日本のトラディショナルな登山のルールからちょっと外れて、カウンターカルチャーとしてのハイキングを楽めるエリアだと思う。